犬のやさしさ Dog's Love and conjugal tie 2003 4 3

子供が生まれた時、子犬を飼えばよい。
子犬は、子供の成長と競争するかのように見えるが、
やがて、止まり、朽ち果てる。
その死が、子供に死とは何かを教える。

最後の子供が結婚して、誰もいなくなった時、
夫婦の心に寂しさが感じられるなら、子犬を飼えばよい。
子犬は、あなた方の肉体の衰えに逆らうように、成長していく。
まるで、年老いていく夫婦に新しい子供ができたように喜びを感じる。
しかし、ある時から、成熟した時から、犬は、急に衰えはじめ、
あなた方の肉体の衰えを追い抜いて行く。
そして、あなた方より後から来たのに、先に行く。
その死を悲しむ暇はない。
その死は、あなた方に最後の時が近づいていることを教えている。
その時、どうするか。
天の国には、お金も名誉も、いわんや名刺など持っていけない。
持っていけるのは、あなた方が他者をどれだけ愛したかという記録だけである。
この世にて、小さな者であったとしても、その記録、大きければ、
天の国にて、大きな者となる。

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